「土地家屋調査士って、いったいどんな資格なんだろう?」
「この資格って、どんな仕事で役に立つの?」
「難易度はどのくらい?」
土地家屋調査士というと資格の名前から、なんとなくどんな資格なのかの想像は付くかもしれません。
が、具体的な内容がよく分からない、という人も多いんじゃないでしょうか。
土地家屋調査士の資格がどんなものなのか、どんな仕事に役立つのか、資格試験の難易度や概要などについてまとめてみました。
土地家屋調査士とはこんな資格!
土地家屋調査士は法務省によって認定される、国家資格になります。
表示に関する登記の専門家
土地や建物というのは、
- どこに
- どのくらいの広さや大きさで
- どのような形状で
- そして誰のものとして
存在しているかをはっきりさせる必要があります。
そうでないと、この家が誰のものか、この人の土地はどこまでなのか、といった事がはっきりしなくなります。
そうならないように不動産の登記を行うんですが、登記のうちの表題部といわれる部分が土地家屋調査士の仕事となります。
表題部とは表示に関する登記といわれ、上に書いた例でいうと、
- どこに
- どれだけの大きさや広さで
といった部分、つまり所在や地番、建物なら構造や床面積といった、物理的な面での登記を行います。
そして、その登記に関する申請手続きの代理も行います。
ちなみに
- 誰のもの
といった権利に関する部分(権利部)は、司法書士の仕事となります。
業務独占資格の1つ
業務にはある資格を持っていないと行ってはいけない、といったものがあります。
(医師免許を持ってないと医療行為を行ってはダメ、といったもの)
そんな資格を業務独占資格というんですが、土地家屋調査士もそんな資格の1つで、土地家屋調査士の独占業務は、上に書いたように不動産の「表示に関する登記」です。
この業務に関しては、他の資格を持っていても行うことができません。
土地家屋調査士は体を使う仕事
土地家屋調査士の1番の仕事というと表示に関する登記であり、書類をずーっと書いてるイメージがあるかもしれませんが、実際には出向いて調査したり、作業をしたりと体を動かす仕事になります。
資料の調査
法務局や役所に出向いて、書類や図面の調査を行います。
測量作業
土地や家屋の登記を行うために必要となる測量に関しては、実際に現場で行います。
立会(たちあい)
土地の境界をはっきりさせるために、お隣さんなどが納得いくように説明したり確認もらうのも、土地家屋調査士の仕事となります。
このように登記を行うまでに、必要な様々な作業を色んな現場に出向いて自ら行います。
なかなかの難易度
そんな「表示に関する登記」という、とても重要な土地や建物に関する業務を行うための資格なので、誰もが簡単に取得できるわけもなく、難易度は高くなっています。
「土地の境界のトラブルなども増えているので、土地家屋調査士の需要は高くなる」とも言われていますが、「それじゃあ取得してみよう!」といって気軽な気持ちで簡単に受かる試験ではありません。
土地家屋調査士の資格が使えるのはこんな仕事!需要や役立つ業界
土地家屋調査士の資格を取得している人の就職先として考えられるのは、
- 土地家屋調査士事務所
- 測量会社
- 建設会社
- 不動産会社
- コンサルティング会社
などがありますが、その多くは上の2つのようです。
もちろん独立して個人の事務所を開くことも可能ですが、実際には実務経験が必要(無いと仕事にならない)なので、資格を取得してすぐに独立というよりも、就職して経験を積んでからというのが実際のところのようです。
土地家屋調査士の資格は役に立たない?
世の中の資格に関しては、必ずといっていいほど「この資格は役に立たない」といった意見があがりますが、土地家屋調査士はどうなんでしょう。
この資格は役立つ!という意見
まずは肯定的な意見から。
- 独占業務があり安定している
- 取得者がそれほど多くないので需要がある
- 土地の境界に関してのトラブルといった仕事も多い
- 独立開業が目指せる
- 他の士業よりも稼ぎやすい
この資格は役立たない!という意見
逆に否定的な意見を。
- 資格があっても独立するには実務経験が必要
- 独立には測量などの初期費用が必要
- 国家資格にしては知名度が低い
- 不動産の売り上げに左右される
全体的に否定的な意見はとても少なかったです。
「取得している人数が他の士業と比べて少なく、それでいて独占業務もあるので仕事が多い」といった意見はいくつか見られました
土地家屋調査士の資格試験の概要
試験内容
試験は筆記試験と口述試験に分かれていて、筆記試験合格者が口述試験に進みます。
筆記試験
午前の部
平面測量10問・作図1問
午後の部
択一:不動産登記法・民法他から20問
書式:土地・建物から各1問
口述試験
15分程度の面接方式によって、午後の部に掲げる事項について行う
難易度
不動産関係の資格でいうと不動産鑑定士という国家資格があり、非常に難易度の高い資格となっています。
土地家屋調査士もそこまでの難易度ではないものの、難しい資格試験といえるでしょう。
勉強時間としても1,000時間程度という意見が多く、期間でいうと1~2年くらいかかってる人が多い、といった感じでしょうか。
合格率
10.36%
(令和2年度)
受験資格
制限はありません
(口述試験は筆記試験の合格者)
試験日
- 筆記試験:10月
- 口述試験:1月(2018年度)
試験会場
東京、大阪、名古屋、広島、福岡、那覇、仙台、札幌、高松の全国9会場
受験料
8,300円
※各内容については、記載時点での情報となります。必ず公式ホームページなどでご確認ください。
お問い合わせ先
法務局または地方法務局総務課
土地家屋調査士のまとめ
「表示に関する登記」に関してのプロの資格で、業務独占資格もあり「仕事は安定している」という意見が多く見られました。
独立も可能ですが実務経験がモノを言うので、しっかり経験を積むと同時に人脈を築くことが必須。
難易度は高めなので、しっかり時間をかけて取得を目指す必要があります。
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