「就職や転職に役立つ資格って何?」
「経理希望なら簿記検定は必須?」
就職や転職活動をしている人に人気の資格といえばいろいろありますが、「日商簿記検定」も間違いなくその1つでしょう。
ただ「実際のところどうなの?」という疑問を持っている人も多いようです。
ここでは日商簿記検定がどんな資格なのか、使える仕事はどんなものなのか、実際に役立つのかといった点についてみていきます。
日商簿記検定とはこんな資格!
日商簿記検定は、日本商工会議所が主催している公的資格となります。
「会社の財務状況を明らかにする技術」の検定
会社というのは、関係する人(投資家、取引先、銀行、経営者、労働者)に対して、経営状態を伝える義務があります。
その書類を財務諸表(貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)や、損益計算書(そんえきけいさんしょ)など)といいますが、それらを作成するための技術の事を簿記といいます。
そして、そんな会社の財務状況に関する書類を作成する技能をはかる検定が、日商簿記検定です。
簿記の検定としては1番メジャー
簿記の検定としては他にも
- 日商簿記 (日本商工会議所主催)
- 全経簿記 (全国経理教育協会主催)
- 全商簿記 (全国商業高等学校協会)
といった種類がありますが、最も受験者数が多く評価、知名度が高いのは日商簿記検定となります。
5つのレベルがある
日商簿記には、
- 1級
- 2級
- 3級
- 簿記初級
(2017年より実施) - 原価計算初級
(2018年より実施)
の5つのレベルがあります。
出題範囲としては、
- 1級:商業簿記・工業簿記・会計学・原価計算
- 2級:商業簿記・工業簿記
- 3級:商業簿記
となっています。
簿記初級は以前に4級となっていたのが廃止され新設されました。簿記の基本原理や企業の日常業務における実践的な知識といった内容になっています。
原価計算初級も新しく新設されたもので、名前の通り原価計算の基本原理や日常業務における実践的な知識についての内容となっています。
日商簿記検定の資格が使えるのはこんな仕事!需要や役立つ業界
簿記検定が使える職場というと
- 銀行
- 会計事務所
- 税理士事務所
- コンサルティング会社
などが考えられますが、簿記が企業の財務諸表を作成する技能という事を考えると、ありとあらゆる業種において使える資格といえます。
部署や職種で考えると経理や財務関係の職場がメインとなってくるでしょう。
ただし、お金の出入りを知っておくという面から考えると、経営コンサルタントといった仕事はもちろん、営業、仕入れ製造、販売といった幅広い職種にも活かせる資格といえます。
日商簿記検定の資格は役に立たない?
よく資格について調べていると、「この資格は役に立たない!」といった意見を見かけますが、簿記検定はどうなんでしょう?
いくつか意見をまとめてみました。
この資格は役立つ!という意見
まずは日商簿記検定に肯定的な意見から
- 転職時にかなり有利になる
- 経理職の応募条件となっている場合が多い
- 昇進や昇格に関わってくる
- 資格手当がある
- 実際の仕事で役に立つ事がとても多い
- 企業によっては3級でも評価される
この資格は役立たない!という意見
そして否定的な意見です。
- 3級では評価が低い
- 経理でなければそれほど必要ではない
- 誰でも取れるので役に立たない
2級や3級ではそこまで難易度が高くないので、「取得している人も多くそれほど有利にはならない」といった意見がいくつかみられました。
ただ逆に「就職や転職での評価が高い」といった意見も。
いろいろ資格について調べていますが、それらの中では「役立つ」という意見がとても多い資格だという印象です。
また「資格の勉強で身に付けた内容が実務で役に立つ」といった意見も多かったのが特徴でしょう。
資格検定の場合、必ず役に立つ、立たないといった意見はあるんですが、日商簿記検定はとても評判のいい資格の1つといえるんじゃないでしょうか。
日商簿記検定の資格試験概要
試験内容
1級
商業簿記・会計学、試験時間90分
工業簿記・原価計算、試験時間90分
2級
商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)、試験時間120分
3級
商業簿記、試験時間120分
簿記初級
試験時間40分のネット試験で出題範囲は「出題範囲・内容/簿記初級」のPDFを参照下さい。
原価計算初級
試験時間40分のネット試験で出題範囲は
「出題範囲・内容/原価計算初級」のPDFを参照下さい
難易度
3級では範囲もそれほど広くなく、勉強時間としても1~2か月といった意見が多いようです。
(中には1週間で合格といった強者もいるみたいですが)
2級になるとそこまで難易度があがるわけじゃないんですが、範囲が広くなるので勉強時間も1~3か月といった意見が見られました。
そして1級ですが、急に難易度があがります。
勉強時間も500時間から1000時間以上かかったという人も。
(なかには2000時間以上かけた人もいました)
それだけの期間を費やすので、取得後の仕事に役立てられるかを考えると2級までで十分という意見もあったくらいです。
そして独学では効率が悪くなる、という意見もいくつかみられました。
合格率
- 1級:13.5%
- 2級:18.2%
- 3級:47.4%
(2020年11月度) - 簿記初級59.4%(2019年度)
受験資格
制限はありません
試験日
- 1級:6月・11月
- 2級・3級:6月・11月・2月
- 簿記初級・原価計算初級:随時
試験会場
全国各地の商工会議所が指定する会場
受験料
- 1級:7,710円
- 2級:4,630円
- 3級:2,800円
- 簿記初級2,160円
- 原価計算初級2,160円(各税込)
※各内容については、記載時点での情報となります。必ず公式ホームページなどでご確認ください。
お問い合わせ先
全国各地域の商工会議所まで。
検定情報ダイヤル
TEL:03-5777-8600
URL: https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping
日商簿記検定のまとめ
全体の印象としては、「日商簿記検定は役に立つ!」といった意見がとても多い印象を受けました。
また「3級でも会社の規模によっては有利になる」といった意見も見られなかなか評価の高い資格だと思います。
(他の資格では「3級なんて役に立たない」といった意見が大半です)
ただ1級に関してはとても難しく、取得のための時間が結構かかるので、行ってる業務(あるいは今後やっていこうと思ってる仕事)の関わりを考えた方がいいのかもしれません。
「2級でも十分役立つ」という意見も多かったので。
勉強方法に関しては、「2級までは独学でも大丈夫」という意見も多かったんですが、なかには「効率を考えると通信講座や通学講座を利用するのも1つの手かも」という意見も。
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